正統派ロシア・ピアニズムの継承者、
イリヤ・イーティン氏の
ピアノリサイタルに行って参りました。


楽しかった!
純粋に「楽しい!」
と思うコンサートでした。

こんな感じ、なかなかありません。


専門的に勉強をしていると、
どうしても音楽の聴き方も
「何かを得よう」
と勉強するつもりで聴いてしまって、
その音楽の中にただ身を置くということが
なかなか難しかったりするのです……。


でも、今回は、音楽の中に身を置けました。
本当に幸せなひと時でした。



前半はドビュッシー

アラベスク』全2曲と、
前奏曲集 第1集』を全12曲。

これ目当てで行きましたが
良かった〜〜〜♪


アラベスク』は
ちょっとロシアンよりで
音に深みがあって
ザ・フレンチという音色では
ありませんでしたが、
それはそれで面白かった。

趣向を凝らした前菜が出てきたなっという感じ。


とは言え、『アラベスク』を聴いた時に
そう思ったわけではありません。

次の『前奏曲集』を聴いて
「あ〜、さっきのは前菜だったのね!」
と納得。

この『アラベスク』のおかげで
次の『前奏曲』が
より一層引き立ったように思います。


前奏曲集』は、
自然界の音を聴音して
即興で弾いているのかと思うほど。

本当の意味で自由でした。


「これが本当の音楽だよね!
自由ってこういうことだよね!」
と心が歓喜の声をあげるのを抑えるのに必死でした。

音色の種類の豊富さもさることながら、
光と陰影の対比や濃淡が絶妙。

光を反射する葉の表面が見えたかと思うと、
風にあおられて葉の裏側が見え、
光で葉脈が透けるのが見えたりして。

刻々と変化していく情景や心情に対して、
「自然も人間も、常に変化していて
二度と同じ風景は見られないんだな。
今聴いているこの演奏も
二度と同じものは聴けないんだな。」
なんてことを考えながら聴いていました。


音楽が生きて、呼吸をしていました。 

音楽に感謝、
地球に感謝、
生きていることに感謝。

今この瞬間のすべてが愛おしく感じました。



後半は特別に期待していたわけではない、
ベートーヴェン
ブラームス

でも、これまた良かった〜〜〜♪ 


ベートーヴェンアンダンテ・ファボリ』の
ロマンティックなこと!

彼は、寂しがり屋でロマンティストだったと思うの。

だから、そういうベートーヴェンが聴けて
本当に嬉しく思いました。


最後はブラームスの『ヘンデルの主題による変奏曲』。

正直、今まで、ブラームスを聴いて
寝なかったことがないと言うぐらい
良い演奏に出会ったことがありません……。


でも今回は全く眠気が襲ってこない。
最初から最後まで、素晴らしい演奏でした!

そして、まさに「変奏曲」でした。


ブラームスに限らず、
変奏曲でヴァリエーション1つ1つの個性を
きちんと感じられる演奏はあまりなくて……
「これでは変奏曲の魅力が伝わらないな〜」
と思うこともあるのですが
「次はどう来るのかしら?」
とワクワクしました。


以前、同じ曲を聴いた時は
永遠に終わらないのではないかと思うような
苦行のような30分でしたが、
今回はあっという間の30分。

じわりじわりと興奮してきていたのが
最後のフーガで一気に渦となって高まる〜〜〜!



アンコールはシューマンの『アラベスク』。

ドビュッシー
の『アラベスク』に始まり、
アンコールでシューマンの『アラベスク』とは
これまた心憎い演出。



もっともっと聴きたかったな。
でも、悪い意味での
「おなかいっぱい」
にさせないところがまたいい。

このフルコースなら
何度でも通っちゃうわ♪


それぞれの曲はもちろんですが、
コンサート全体の構成が本当に素晴らしかった!

とにかく、
センスが抜群に良いピアニストなんだと思います。


次はいつ聴けるかな?
素晴らしい出会いに感謝。







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